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年末にざわざわ森のがんこちゃんスペシャルを見て曇った話

12月31日にざわざわ森のがんこちゃん 放送20周年スペシャル「エピソード0」 と言うものが放送されていたのはご存知でしょうか。

テレビ欄の説明では「 人間がいる過去の時代にタイムスリップしたがんこちゃんは、そこで人間の兄妹と出会う。人間が滅びた謎や、ざわざわ森と砂漠の秘密に迫る家族で楽しめるスペシャル人形劇。」と言うもの。
前提としてがんこちゃんの世界は人類が滅んだ後の世界で、がんこちゃん達は人間たちが遺伝子操作し環境に適応できるように作られた生命体という設定があります。
そんな中、世界観が語られるというという事で録画して見るとこれがかなりの鬱展開。

見逃してしまった方

大丈夫です、1月3日に再放送やりますし、NHKが公式で配信しています。

色々と考察ができる作りはまさにエピソード0

がんこちゃんは基本的に道徳人形劇なのですが、今回は道徳関係のないガチSFって感じの作りになっています。
特に人類が滅ぶという結末を知っているが故に崩壊寸前の人類を描写されるとかなり心に来るものがありますね…
※ここから先はネタバレになるので、上のリンクからまず動画を見ることをおすすめします。

砂巨人はなんなのか

タイムスリップ先で人類の生き残りスイちゃんとシンくんと出会うわけですが、その際に追われていたのが砂巨人です。突然出てきて「砂の巨人だよ!」という説明意外何も設定が出てこない謎の巨人。いかにも恐怖の対象なのですが、がんこちゃんに簡単に退治されます。ただ作中では直接襲いかかる描写はないので本当に危害を加える気であるのかは謎です。
また、「砂」というのもポイントでこれはエピソード0をすべて見れば分かると思いますが、人間の成れの果て、または集合体なのではと想像してしまいますね。

感情が昂ると砂になる人類

この設定は直接語られていないのですが
・感情を出さないように教育されている(美味しいや不味い等は言わない。怒ったり喧嘩したりしない)
・オアシスを見つけて「これであの子達は生きられるぞ!」と喜ぶお父さんが直後に倒れる(おそらくは死ぬ)際にサラサラと砂の音が鳴る
・がんこちゃんと出会って笑い、妹のために子守唄まで熱唱し始めたお兄ちゃんが寝ていたベッドに大量の砂が置いてあり、以降お兄ちゃんは失踪する
・スイちゃん曰く「お母さんが居なくなった時も部屋に砂が沢山あった」
等から感情がある程度出ると砂になってしまう世界なのでは?と仮設が立ちます
しかし、砂巨人に対しては怯えていたので、恐怖では砂にならないのではないかとも推測できます

お父さんは砂になったのか

砂漠を彷徨い水を探していたお父さん、最終的にざわざわ森(オアシス)を見つけたのもつかの間、行き倒れてしまいます。この時ドサッという音と共に砂のサラサラ…という音も鳴っています。普通に考えれば砂漠で倒れたので不自然な音ではないのですが、人が砂になってしまうのではないかという世界なので、これは砂になってしまったのでは?という考えが頭をよぎります。
特に上で感情が昂ると砂になるんじゃないか?という考察ですがオアシスを見つけて感情が昂ぶってしまったがために砂になってのではと思うんですよね。

お兄ちゃんは朝の時点で砂化していたのか

謎の青い塊を食べていた兄妹にサボテンの唐揚げを教えてあげたがんこちゃん、これが凄く美味しいらしく気に入ったスイちゃんは朝ごはんもサボテンを食べたいと外へ採取しに行きます。
お兄ちゃんは同行しません。作中では砂の巨人がキケンだから呼び止めたと思わせる作りになっていますが、がんこちゃんが付いているので大丈夫という理由でそのままがんこちゃんとスイちゃんは外へ出ます。その際に「バイバイ、お兄ちゃん」「バイバイ、スイ」というやり取りがあります。そして二人が家に戻るとお兄ちゃんは砂になっています。なぜお兄ちゃんは付いて行かなかったのでしょうか。
朝になってからお兄ちゃんが布団から出る描写がありません。上半身は起きていますが下半身は布団の中に入っています。この時既に脚が砂化していてサボテン採取に行けなかったのではという考察もできます
また、朝になるシーンですが雨が降っているわけでもないのに水の音、サラサラと砂の音が鳴っている等若干不安要素があります。風が強く外が砂漠なので砂のサラサラ音も不自然ではないのですが、後に砂になる事を考えると、これはお兄ちゃんの脚が砂化していることを表現しているのでは…?と深読みもできてしまいます
この仮説が本当だとしたら、二人が外に出た後に扉に向かって「バイバイ、スイ」と言いながら顔アップになっていたお兄ちゃんを見る目が変わってしまいます。

お掃除をする無慈悲なロボット

サボテンを取りに行き、戻ってくるとお兄ちゃんはそこに居ず代わりにベッドに大量の砂が。
「お兄ちゃんはどこ?」というスイちゃんの問いかけに「シン(お兄ちゃん)は、お母さんが来て迎えに行きました」と応えるロボ。これが意味するものを考えていると突然ロボットが「さぁそこをどいてください、お掃除します」とお兄ちゃんらしき砂を掃除し始めます。
話の流れ的にベッドの上にある砂はお兄ちゃんですが、まさかこんな機会的に掃除されてしまうとは…

現在時間で再開するがんこちゃんと兄妹

お別れで今度はざわざわ森に来てね!と約束した後、がんこちゃんが現在時間に戻り、お家への帰り道に「おーい!遊びに来てねー!」的なことを言った後に足元の砂がサラサラとがんこちゃんの足を流れます。演出的に確実に兄妹です。しかしその後ハックション!とがんこちゃんがくしゃみをし、砂が舞い散ってしまいます。なんでそんなエンドにした…普通にサラサラ流れて終わりじゃダメだったのか…
これは暗くならないようにした脚本の優しさなんですかね、むしろ悲しくなるわ!

OPの歌詞に繋がるEND

ハックション(砂が舞い散る)!からエンディングが流れます。エンディングはみんな知ってるいつもはOPで流れているあの曲です。
「ぶわっと鼻息飛んでく友達♪」
オイオイ飛んでったわ友達(砂)…この話で意味深に描写している砂をくしゃみで飛ばした後にこの歌詞は考えさせられてしまいますね…
めげない!しょげない!ないちゃダメ~がやけに重く感じます

勝手にあの世界を想像する

今回世界設定に大きく触れたわけですが、今回の話で色々と想像ができます。放送後ネットの考察も見てワイワイやっていたので、100%自分の考えってわけではないのですが、妄想を下記に記載します。

人類が滅ぶ寸前、人類は
ナノマシンの暴走
・人民統制のために一定の感情を持つ事の禁止
・砂になってしまう奇病
のいずれかにより一定の感情を持つと砂になってしまう世の中になっていた。

親は感情を抑えるよう子どもたちを教育するようになった。
また、食糧問題の解決を図るため開発された人口有機物のキューブに、感情を抑制する成分を入れ食事をすることにより砂にならないよう努力をしていた。
しかし、そこは人間どうしても感情が昂ぶってしまうため、刺激の多い外に出るという行為は人類の衰退を加速させていった。その問題の解決に作られたのが砂の巨人である。砂の巨人が居るため人間は出来る限り家の中での生活を余儀なくされ、外には砂の巨人がウロウロする世界になった。
とはいえ人が砂になり砂漠化が進む現在、水の確保は重要で、このままでは家族を守ることができないと考えた父親はスイ(妹)・シン(兄)を守るため新たな水源を探しに度に出る。

その後今回のエピソード0に移り、がんこちゃんがやってくる。がんこちゃんは人工的に作られたキューブしか食べたことのない兄妹にサボテンの素揚げを食べさせる。人工物しか食べたことのなかった兄妹にはこれが新鮮な経験で、お気に入り料理になった。これがいけなかった。砂化を抑える成分が入っている人口有機物キューブを食べなかった兄妹が、がんこちゃんとの交流で楽しいという感情を抑えられなくなっていく。

外部(がんこちゃん)との楽しい交流、そして人口有機物キューブを食べなかったという偶然が重なり、シン(お兄ちゃん)は砂になってしまったのだ。
お父さんはオアシスを見つけた際に感情が昂ぶったせいで砂になってしまった。

では残されたスイ(妹ちゃん)はどうなってしまったのか。これはネットで見つけて笑ったのですが、その後の生活を描いたのがみいつけた!のスイちゃんであるという考察がありました。

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登場人物が「イス」「スイちゃん」「サボテン」というエピソード0で出てきた要素が見事にマッチしているんですよね。コッシーのようなイスは出てこなかったのですが、ソファーは出てきました。
一人になってしまったスイちゃんはサボテンとイスだけの世界に閉じこもるのである。

考えれば考えるほど気になるがんこちゃんの世界

重い舞台設定があるが、普段は世界に焦点は当たらずワイワイやっているのはアドベンチャータイムを思い出させます。アドベンチャータイムも主人公以外の人類が絶滅した後の世界で、定期的に世界観が解明されてゆく回を見てなるほど…と思いますがエピソード0も同じような気分になりました。
30分スペシャルで3人中2人も死ぬ人形劇とは恐れ入ります…
大晦日になんて物を放送したんだNHK…お陰で新年一番変なテンションでこんなよく分からない記事を書いてしまったぞ…

がんこちゃん ぬいぐるみ
メーカー:キューブ
参考価格:¥ 1,512